躍進 vol.31(2011年3月発行)

神々の愛でし人

OB会長 1期 川合純夫

 

 今年も編集担当の人達の尽力により躍進が発行され、皆さんに届けられることを大変嬉しく思います。OB諸兄の現状や、音楽観をはじめとする数々の話題、さらに現役の活動状況など、私も毎年楽しく読んでおります。

 話は変わるが、最近偶々「神々の愛でし人」と云う本に出会った。丁度二百年前に生まれた大数学者「ガロワ」のことを述べたもので、その天才振りは15歳で当時学校では二年掛けて学ぶルジャンドルの初等幾何学を二日で読み解いたとのことである。その後、彼はフランスで最も高等な数学を教えていた理工科学校を受験するが、口述試験の担当官よりも解り過ぎていた彼は、担当官が対数に関してしつこく出す愚問に対し、頭にきて黒板消しを試験官に投げつけるなどして2度不合格になったようである。

 また彼は17歳の若さで素数次方程式に関する論文を大数学者コーシーに提出したが、一説によるとコーシーは公私共に忙しい人であったためか机の引き出しに入れたままになってしまう。ガロワは論文を書き直し、改めてフランス学士院に提出したがその審査員で論文を預かっていたフーリエが急死したため、またも論文は行方不明になる。生前ガロワが無名であったのはそういった不運が重なったこともあるようである。

 また、代数方程式は四次までは一般解があるが、五次以上ではそれがなく、ガロワは20歳にしてそれが解けるための諸条件を解明した。数学者ポアソンの呼び掛けで、論文「方程式の冪根による可解条件について」を提出するが、当時は理解されず、約40年後、ジョルダンが置換論においてこれを採り上げ、以後ガロワ理論として名を残すことになる。

今年がガロワ生誕二百年に当たることを知ったついでに、余計なことではあるが、年表で生誕二百年を迎える著名な作曲家を調べたところ、一昨年がメンデルスゾーン、昨年がショパン、今年はリスト、再来年はヴェルディ、ワーグナーといった人達が載っていた。いずれも「神々の愛でし人」というべきであろう。

 この前、当吹奏楽部は創立50周年を迎えたが、二百年なんて僅かその四倍と考えると、もっと身近に、当OB会にも神々の愛でし天才がいそうに思えてならない。

 

ロンドン、パリ、マドリッド一人旅

左:闘牛の様子 右:ムリリョの絵
左:闘牛の様子 右:ムリリョの絵

6期 水上 市三


 死ぬまでに一目ぼれした女性にもう一度会いたい。ついでにロンドン、パリ、マドリッドで好きなことをしたい。これが三年前の13日間一人旅の目的であった。

 ロンドンでは、美術館とロイヤルオペラで「トスカ」、5つのミュージカル「シカゴ」「ライオンキング」「オペラ座の怪人」「ウィキッド」「マンマ・ミーア」を観た。観る演目によってイギリス人にはこんな面があるのかと思えるくらい観客の反応が異なっていてとても面白かった。大英博物館のロゼッタストーンは昔、皆が触っていたが今はガラスのケースの中。ロンドンからパリまで、ユーロスターに乗りドーバー海峡の下を。快適で朝食も美味しかった。

 パリでは美術館通い。ルーブル美術館、オルセー美術館、オランジェリー美術館、国立近代美術館、ロダン美術館、ピカソ美術館他。日本の特別展覧会で見たらはるか彼方からしか見られない絵が本当に触れることができる距離から、またゆっくりと、楽しめる。

 オルセーは素晴らしい。私は世界の美術館の中で一番好き。朝一番にオルセーに入って夜まで、地上階でアングルの「泉」ほかを見て、中央の彫刻像の前で昼寝。その後、オルセー内の有名なレストランでランチ。宮殿の「鏡の間」のような豪華な中での食事はさすがに気分が好い。デザートに三種類(アーモンド、バニラ、チョコラーテ)のアイスが異なった入れ物に入って出てきた。これも美味しかった。マネ、モネ、ルノアール、ゴーギャン、スーラ、ロートレック、ドガ・・・。私の好きなゴッホの「オーヴェルの教会」が何気なく飾ってある。ガラスもなく10cm近くまで顔を寄せゴッホのタッチを味わう。

 オペラ座(ガルニエ)の「タウリスのイフィゲニア」はつまらなかった。フランス語の字幕など読めるはずも無く、物語が分からない上に、現代の介護施設に舞台を移しているから爺さんばかり。途中で男性の歌手が一糸まとわぬ姿になり、女性に迫るが何故だかわからない。オーケストラは古楽器の団体でとてもいい演奏をしていた。

 大人のショウを観にLidoへ。今回は座席案内人に予約済みのチケットと10ユーロを握らせたら、舞台から遠いシャンパンのみで百ユーロの席が舞台のまん前の一番いいテーブルに案内してくれた。お金を握らせるとこんな好いことがある。ヤッター!

 ノートルダム大聖堂の日曜日のミサにも紛れ込み(パプオルガンとミサが素敵)、大聖堂の塔の螺旋階段(四二二段)を死ぬ思いで一番上まで登りました。

 モンマルトルの丘のシャンソニエAu Lapin Agileも素敵でした。ピアノが隅に置いてあるだけで部屋全体がステージって感じ。真ん中にあるテーブルに8人の歌手(若い女性から年配の男性まで)が座り、思い思いのシャンソンを歌っていく。客も一緒になって歌う、当然私も訳の判らないフランス語で歌いました。幸せそのものの至福の時!

 三十七年前と同様パリからホテル列車「フランシスコ・デ・ゴヤ号」マドリッドに移動。トレンドの街を散策し、ギネスにも載っている世界最古のレストラン「ボティン」で食事をし、夜は「コラール・デ・ラ・モレリア」でフラメンコ、私のフラメンコのイメージを変えるほど素晴らしかった。日本でチケットを入手できなかった闘牛を何としても見たくなり、チケット売り場に、超人気期間(お祭り)で売切れ、外にいたダフ屋から高い値段で購入。でも見てよかった。昔は感じなかったのですが闘牛ってとても神聖なものでした。

 旅の目的の「一目ぼれした女性」に会えた?残念ながら会えませんでした。その方は昔プラード美術館に掲げられていたムリリョの絵。頭を傾げ瞳から涙をながしているマリアさま。高さ70cm位で額に入っていました。でも帰国する直前偶然訪れたホテルの近くの美術館でお姉さんに会えました。いい思い出を胸に閻魔さんと対決できそうです。

 

一月十九日に亡くなった林敏郎君へ

左:故・林君 右:小柳
左:故・林君 右:小柳

9期 小柳忠章(cl

 

 あの、創部50周年記念演奏会の練習で三十数年ぶりに再会した時、君は高校生の時と同じように目を細めて笑っていた。私の軽はずみな提案のせいで、OB文化祭にバンドを組んで出演することになった時も、嫌な顔をせずに音響機材の調達から、8期の武田さん(ピアノ担当)への出演依頼などをしてくれた。MC兼ボーカルを見つけてきてくれたのも君だった。

 記念演奏会の練習が終わると、服部(Tp)と私と三人でボルゾイというJAZZライブの店に行き、飛び入り出演することが常になった。服部が「早く楽器出せよ」と私に言っている間に、君はもうステージのドラムセットに座っていたね。そんなことが毎月続き、私たちは高校生の時のような気分に浸っていた。

 2007年夏の記念演奏会が終り、その年の秋に大腸がんが見つかり手術を受けたことを知ったのは、年末だった。正月、帰省した際に君の経営する花月旅館に立ち寄ったら「がん保険で車を買いに行くところだ」と元気に言っていたので、すっかり良くなったと思っていた。

 東京で服部と生田と私が参加するバンドのライブがあると、必ず君は駆けつけてくれた。私も君に遅れること半年でがん患者になった。君は「小柳と俺はがん仲間だからな。キャンサーという名のバンドを作ろうぜ」などと冗談を言っていた。

 2009年になった頃、がんが再発したらしいという噂が東京に届いた。君が「俺の命もあと 二年」と嘆いたという噂だ。静岡での法事に参加した時、確かめに君を訪ねた。「おしゃべりな人が居るね」と君は否定しなかった。凄まじい闘病生活をおく り、本当に二年で君はいなくなってしまった。

 火葬場で昨年大晦日のジャムセッションの様子を大村バーの大村君がiPhoneで見せてくれた。信じられないくらい元気にドラムを敲いていたね。病院を無理に抜け出て参加したという。君は自分の最期を悟っていたのだろうか。年が明けると、坂を転げ落ちるように体調が悪化し、お見舞いに行く間もなく亡くなってしまった。

葬儀の後、自宅に戻ると何気なく楽譜集を開いた「Everything Happens To Me」が出てきた。「いろんな事があったけど、俺ってついてないな」と君は思ったのだろうか。でも、君のお蔭で、私は楽しい音楽生活を送っている。あと200曲ぐらいレパートリーを増やしてから、君の方に行くから、ドラムをセットして待っていてくれ。

 

 

私と中国

私(西岡)と友人、杭州にて
私(西岡)と友人、杭州にて

8期 西岡美紅

 

 大学生活が間もなく終わろうとしている。振り返ってみると、私の大学生活は中国と切っても切り離せないものであった。旅行、留学以外に、中国人店長のレストランでアルバイトをしたり、静岡市内の中国語サークルに顔を出したり、とにかく中国と関係することには片っ端から取り組んできた。

「なぜ中国なの?」という質問を何度となく受ける。それはたぶん、私自身の性格と関係しているのだと思う。もともとあまのじゃくな性格である。大学で欧米に憧れる友人が多い中、私自身はその華やかな雰囲気について行けない気がした。同時に、より広い世界に出ようとしている友人たちがとても羨ましくもあった。自分が生き残るにはどうしたらいいだろう、と考えた結果、距離は近いがよく知らない、みんながあまり好きそうではない「中国」の魅力を見つけてやろう、と思ったのである。

 大学三年時、中国政府から奨学金を頂いて浙江大学に留学することができた。大げさかもしれないが、これをきっかけに、中国の魅力を見つけ広げることは、趣味ではなく、責任だと思うようにしている。留学時には多くの人にお世話になり、大切な友人もできた。

 帰国後、中国人の方と知り合う機会がより多くなった。もともと中国に対して無関心であった家族は、私が毎日中国と関係のある生活を送り、中国の友人を頻繁に話題に出すことによって、中国を身近に感じるようになってきた。これは中国の魅力を広めようとする私にとって、重要な一歩である。

 卒業後は、中国食材の輸入商社に勤務する予定である。食に対する意識の高まりもあり、入社後は多くの問題と向き合うことになると思うが、めげずに取り組んでいけたらと思う。またライフワークの一つとして、中国のドラマを翻訳し、より多くの人に見てもらうことが、今の目標である。

 最後に、執筆の機会を下さった編集委員の方々に感謝申し上げます。

 

心の振動数

50期 川村卓也

 

 僕は大学に入ってから,吹奏楽をやめました.この場でこんなことを言うと怒られるかも知れませんね.でも,嫌いになったわけではありません.むしろ,今はみんなと演奏がしたくてたまりません.往年の課題曲などを聴いていると,自然と心が震えます.

 やめたのは,他に力を入れたいコトがいくつもあったからです.大学では,ボランティア活動に青春の全てを注ぎました.音楽の演奏とは,ほとんど接 点のない世界です.けれども,大好きなことなので,やっぱり心が震えます.研究でも,学内のイベントでも,就職活動でも,心が震えます.充実した毎日が, 気がつけば自分を大きく成長させてくれていました.

 一方,高校時代は勉強がイヤで,大好きな部活ばかりやっていました.お陰で,成績は最悪でしたが,部活での日々は最高でした.もちろん,失敗や後 悔は山ほどあります.振り返れば,本当にバカでした.けれども,そこまでバカになれる場所は,後にも先にも,あの狭い部室の中だけなのだと思います.

 妙な固定観念にとらわれず,熱中できるものをやればいいんじゃないでしょうか.たとえそれが吹奏楽でなくとも.熱中することができれば,バカにも なれるし,心から人を動かせます.そして,そのなかで僕たちは「吹奏楽」という共通のパートナーに出会い,世代や性別を超え,お互いに心の振動数を高め 合ってきました.どんなに熱意の方向性が変わろうと,これだけは,紛れもない事実です.

 楽しまなければ吹奏楽じゃない――僕は今でも,そんなことを考えています.

 吹奏楽も続けたかったので,バイト代で「EWI」という電子楽器を買いました.今でもよく練習していますが,ひとりで吹くのは,やはりそこはかとなく寂しいものです.キレイごとではなく「仲間がいるからこそ,吹奏楽なんだ」と,ふと考えながら,またいつかみんなで音楽を奏でられることを,密かに夢見ています.

 これからも,仲間の楽しむ姿を,僕は全力で応援していきますよ.

 

 

OBからの小さな便り

3期 仁科光司

いまだ通勤の毎日です。加えて、平成24年3月オープンの商業施設の開設準備中、時間が足りません。トランペットもすっかりご無沙汰。合間を見つけてピアノに座る程度です。でもスキーは今シーズン21日、2級に合格しました。来年3月はスイスのダボスへ。

 

8期 遠藤誠

近々、八王子の伊藤理(旧姓)のお宅で池田君、篠原君、遠藤と当時の城北合唱部の同級生、それぞれの奥方も含めて花見をします。それにしても、亡くなった内田君がここに居ないのはとても寂しいです。

 

8期 佐野ウララ

いつも御苦労様です!「躍進」なつかしく見ています。

 

9期 服部吉利

9期が会費を誰も払っていなくてあせりました。同期を誘ってなるべく多くなるよう努力します。

 

11期 鈴木滋

As in music, So in Life. 晴れの日も雨の日も、人生は音楽とともに歩んできました。中学からのブラスバンドは今でも私の年輪の大切な部分です。

 

12期 塚本郁夫

躍進を見て、10期の大先輩達が元気に再会された事を知りました。12期も「アラ還同期会」をH23年にやりたいと思います。12期の皆さんよろしく。

 

15期 北村美佐子

7月に15~18期の集まりがあるそうで、久しぶりに参加しようと思っています。

 

24期 宮澤道雄

拙文を掲載いただき、ありがとうございました。編集や会の運営をご担当される方に、負荷とならない範囲で、旧交を温める場として、細くとも長く会が続いていけば、素晴らしいと思います。

 

24期 福間将文

ご無沙汰しております。3月下旬というのに京都はまだまだ寒いです。牧野先輩と24期(同期)の小川君からお誘いがあり、再入会いたしました。今後ともよろしくお願い申し上げます。

 

24期 水野千晶

一昨年、高校PTAの全国大会(愛知)で恩師の大川先生にお会いすることができました。

卒業以来25年ぶりぐらいでした。短い時間でしたがお話ができてすごくうれしかったです。ちなみに私は大川先生の母校の高校の役員をやっています。

 

27期 永田伊弘

結婚して引っ越しました。

 

30期 北島あかり

躍進をいつもありがとうございます。定演のチケット分と数年間滞納した会費をお支払いします。今年は勤務している所に転がっていたチェロをゆずってもらいチェロに挑戦です。管から弦に浮気します。

 

30期 濱村綾子

5歳の長男が昨年より「トロンボーンをやりたい!」と言い続けています。彼の身長より大きい楽器、「まだムリよ」とは言っておりますが、いつか習わせてあげたいなぁ…と思っています。

 

34期 橋田元樹

3年分+チケット代を払込みます。躍進をいつもありがとうございます。

 

45期 中山真

大学院の進学に伴い、名古屋にいます。静岡を離れても、現役のみなさんのご活躍を応援しています。

 

50期 大木理沙

4月1日のコンサート楽しみです。頑張って下さい。

 

51期 秋山詩緒里

大学のサークルで管弦楽団に入り、トロンボーンを続けています。管弦楽は吹奏楽とはまた違った楽しさがあります。

 

 

現役からの便り

54期 団長 梅原みなみ

 

 1年前の4月。私たち54・55期での活動が始まりました。基礎・基本を見直すことで本番のいい演奏につなげていきたいと考えた私たちは、返事や挨拶、服装 などを互いに指摘し合って気をつけてきました。部活前や合奏前の挨拶で気持ちを入れ替え集中する、返事で気持ちをそろえやる気を高める。小さなことではあ るけれど、これらを意識することで、より効率の良い合奏をしてきました。

 初の舞台となる文化祭。心いっぱいに緊張を抱えての演奏でしたが、演奏にあわせて手拍子をしてくれる方や口ずさんでくれる方もいて、会場と一体となって楽しむことができました。

 大会では、ショスタコーヴィチ作曲の喜歌劇『モスクワのチェリョムーシカ』を演奏しました。練習時間が短い中、目標を明確にし、集中力で挑んだ大会でした。 努力の甲斐あって中部大会では1位と言う成績を残すことができました。東海大会はあと一歩のところで及ばず悔しい思いをしましたが、定期演奏会に向けて 「響く音を極める」という課題を見つけた、実りある夏でした。

 気がつけば54・55期の活動も折り返し地点に差しかかっていました。やっと 暑さも和らいできたころ、強化してきた全体基礎の効果が目に見えて感じられるようになってきました。合奏でも課題をはっきりさせ、分奏を重ねて次の合奏に 活かすことで1歩ずつ前進していくことを大切にしてきました。

 歴史に恥じない演奏をしたいという思いは、1番の目標でもあり、大きなプレッ シャーでもありました。時には何度やっても上手くいかず、不安と焦りに押しつぶされそうになった時もありました。でも、励ましてくれる仲間、一生懸命練習 している仲間の姿を見て「チームワーク」の力を改めて感じ、支えあって協力して演奏会を創り上げていこうと決意しました。

 本番まで残り一ヶ月となりました。顧問の先生方の熱意あるご指導のもと、音楽の原点である「楽しむ」ことを忘れず、心に届く演奏を目指して生きたいと思います。

 最後になりましたが、今日までこの吹奏楽団を守り、受け継いできた先輩方、支えてくださった全ての方々に厚く御礼申し上げます。

 

 

54期 定演実行委員長 杉山満

 

 少しずつ暖かい日が増え始め、早くも春の訪れを予感させる季節となりました。そんな中、今年度の定期演奏会まで残りわずかとなり、団員一同より緊張感を持って真剣に日々の練習に取り組んでいます。ここで今回演奏する曲をご紹介いたします。

 第1部では、『EL CAMINO REAL』、『海へ…吹奏楽のために』、『マゼランの未知なる大陸への挑戦』の3曲を演奏します。『EL CAMINO REAL』はオープニングに相応しく、テンポが良く華やかな曲です。『海へ』はかつて吹奏楽コンクールの課題曲として採用された曲で、オープニングとは一変、ゆったりとした曲調になっています。『マゼランの未知なる大陸への挑戦』は、近年中高生に人気の若手作曲家、樽屋雅徳氏の作品です。

 第2部ではソリストとしてトロンボーン奏者の倉田寛先生をお招きして『COLORS』をお送りします。

 第3部では『パリのアメリカ人』、『軍隊行進曲』、『三つのジャポニズム』の3曲です。『パリのアメリカ人』はパリを旅するアメリカ人旅行者の旅の様子を描 いた、ガーシュインらしさの溢れた楽しげな曲です。『軍隊行進曲』はシューベルト作曲で、今回の演奏会の中で最も古典的な曲となります。『三つのジャポニ ズム』は静高吹奏楽団があまり挑戦したことのない、日本風の曲となっています。鶴の羽音、冬の川が流れる姿、夏祭りの賑わう様子が様々な和楽器によって表 現されています。

今年も昨年と同様、顧問の藤井先生と副顧問の長谷川先生の御指導を中心に練習を重ねてきました。木管奏者である藤井先生と金管奏者である長谷川先生の、異なる双方の視点からの御指導に、団員一人ひとりが大変良い刺激を受けております。

 私たちの演奏は現段階ではまだまだ改善点が多くありますが、本番までの残り少ない時間でより完成度を高めていきたいと思っております。

 御多忙とは存じますが、ぜひ会場までお越し頂けたら幸いです。団員一同皆様の御来場を心よりお待ちしております。

 

 

顧問 藤井学、長谷川祥吾、瀧典靖

 

 各界でご活躍の静岡高校吹奏楽団OB,OGの皆様、いかがお過ごしでしょうか。

 現在私たちは2年生22名1年生11名の計33名の部員と3人の顧問で活動しています。ここ数年部員数は30名前後で推移していますが、久々に20名を超え た2年生に期待し、今年こそ大編成でコンクールにも定期演奏会にも望み、スケールの大きい音楽に挑戦したいと思っていたのですが、結局今年もこじんまりした編成での活動になってしまいました。

 記録的猛暑の去年の夏。草薙球場が改修工事のため、高校野球応援も毎回バスでの移動と言うちょっとうきうきする日々が過ぎ、(残念ながら去年ももう一歩で甲子園には届きませんでした)いよいよコンクール。自由曲に『モスクワのチェリョムーシカ』で臨んだ B編成でのコンクールは、ほとんどの審査員に最高点をいただく1位通過で県大会に進みました。県大会は浜松のアクト大ホール。部員にとっても私にとって も、ここで演奏するのは初。気合は入り伊那で開催される東海大会への出場を目指し、部室にも『アクトで金、長野へGO!』と大きく貼り出し、気持ちを一つ にして臨んだ大会でしたが、こちらも長野に一歩届かず無念の銀賞でした。

 来る4月1日に静岡市民文化会館中ホールで開催される第33回吹奏 楽定期演奏会では、オープニングに敬愛するA=リードの名曲『EL CAMINO REAL』を持ってき、2部にはトロンボーンの倉田寛氏をお迎えし、アッペルモンドの協奏曲『COLORS』に挑戦します。3部では、ガーシュインの『パ リのアメリカ人』や邦人作品の真島俊夫作曲『三つのジャポニズム』などをご披露します。33人の演奏のため、2時間を通して高い水準の音楽をお届けできる かどうか、不安もありますが、私たちの精一杯の演奏をどうぞご支援ください。

 

 

編集後記

『躍進 vol.31』編集委員 51期 小倉加称美、亀澤哲弥、杉山杏奈

 

 静岡高校を卒業してから2度目の春を迎え、来年度への意気込みを抱いている今、この「躍進」が無事刊行されることを嬉しく思っています。編集作業の中で久々 に訪れた校舎は懐かしくまた、部室はどこか余所よそしさがあり、月日の経過の速さと20年の人生の中での毎年の存在の大きさを痛感しました。そこにわずか な寂しさを抱きながらも、着々と進歩していく後輩たちの存在を頼もしく思います。

 思いがけず編集委員に選ばれたことで不安や戸惑いもありましたが、編集委員のみんなで多くの方と連絡したり情報を取りまとめたりできました。また、この慣れない編集作業を支えて頂いたOB,OGの皆様方にはこの場を借りて深く御礼申し上げます。

 私たち51期も50期の大先輩達と共に定期演奏会で演奏した『マゼランの未知なる大陸への挑戦』が今年の定期演奏会でも聴くことができると知り、とても嬉し く思います。54期、55期の皆さんは一体どんなマゼランを奏でてくれるのでしょうか。今から楽しみで仕方がありません。皆さんの思いが聞く人の心に伝わ るような音楽を作ってほしいと願い、影ながら応援しております。

 寄せていただいたOBの方々の文章からは、静高吹奏楽団への熱い思いが伝 わってきました。時が経ても、音楽に対する情熱やそれを介して培った仲間との絆は少しも色あせることはないのだと感じました。縛りのない大学生活の中で自 分の見える世界が広がったことで逆に、このような素晴らしい場はなかなか無いということを知り、そこに自分が属していることを誇りに思います。

 最後に、原稿や小さな便りを送ってくださったOB,OGの皆様、現役の団員や顧問の先生方に感謝の意をお伝えいたします。皆様のさらなる発展を心からお祈りしております。「躍進」が、先輩たちと現役生との架け橋となることを願って。

 

 

会費納入者(2010/3/1-2011/1/31納入分)

1期 粉奈清昭 青山紘 川合純夫

2期 水野秀二 曽根義久

3期 望月浩 中安真吾 大嶋輝雄 仁科光司 天野邦久 村上雅俊 花村征三郎

4期 小林勝弘 篠原幹男

5期 徳山勉 松本千秋

6期 太田寛 中川岩代 安池史生 増井淑 西谷元宏

7期 天野英世

8期 成田勝行 遠藤誠 武田泉 佐野ウララ 牧野直

9期 大石喜久雄 服部吉利 小柳忠章 林敏郎

10期 小出康雄 伊藤正博 杉山昇 上田信夫 鈴木滋

11期 塩沢佳夫 久保田明

12期 塚本郁夫 小関佳孝 清水欽次

13期 南荘淳

14期 戸塚靖子

15期 鳥居亮 南荘宏 北村美佐子

16期 宮下英晃 植松洋子 勝山徹 山田丈富 秋山治彦

17期 海野文伸

18期 武田雅子 井上かをり 海野智子

19期 木村邦博 秋山欣三

20期 横沢彰

21期 福山智子

22期 遠山佳之 桑原智

23期 土肥伊都子 前原誠 剣持勝 畑光彦

24期 水野千晶 小林幸基 宮澤道雄 福間将文 内野光明 小川晶央

25期 大澤美雅 樋口明子 中澤美津子

26期 堀田宗文 堀田博美 望月寛隆 成岡喜久乃 大久保美咲

27期 川口修平 永田伊博 森田往枝

28期

29期 早乙女道彦 坪田恵

30期 濱村綾子 草谷緑 北島あかり

31期 桐谷里佳 河合修一郎 風間大介 原田雅樹 望月重樹 岸真実 伊藤彩子 佐藤香菜子

32期 加藤靖子 片平真実 桑原千夏 杉浦佳子

33期 大国哲 木内伯恵 光村恵子 矢澤智道 遠藤直行 兼岩武生

34期 星戸優子 青山智彦 中嶋雄 橋田元樹 深野夕佳

35期 海野直秀 秋田悟志

36期

37期 石垣有美乃 山田茂雄

38期 大石勝博 富田香緒里

39期 川面俊郎 竹内明香 馬渕純子 川森玲子

40期 丹治恭子 山下沙織 片平希望41期 土屋晴裕42期 勝山千恵 寺澤亮介

43期

44期 志村朋子

45期 中山真 太田まりこ 森内丈

46期 一杉真実 串田紗弥子

47期 松田清加 勝山瞳 今野佐和子 稲野好美

48期 浅野志織 小川ひとみ 中森健五

49期 田形智 森内理絵 鈴木香織 稲野百美

50期 堀川千尋 長島清孝 花村美帆 大木理沙 川村卓也 加藤美佳子

51期 今野千穂 金沢夏希 秋山詩緒里 桑原大樹 杉山杏奈

52期 望月志穂美 猪飼美帆 三室友華里 望月成洋 橋本菜都美 江成直人 小林瑞季